2022年8月15日月曜日

妄想劇場「ダボとフラッシュダンス」

「うちは8ミリのダボ専門の工場だ。4ミリのダボなんて作れねえよ」
「なに言ってんだい、あんた。こんないい話に乗らない手はないよ」
「そんなこと言ったっておめえ、4ミリのダボを作ろうと思ったら、スウェーデンから別の機械を輸入しなくちゃならねえんだぜ? いくらかかると思ってるんだ」
「そんな金なんてアタシがどうにかするから、この仕事、受けてやんなよ。イトーさんだって困ってるんだからさ」
「アタシがどーにかって、おめえに当てはあるんかよ」
「アタシが昔、どんだけ稼いでたか、あんたは知らないんだねぇ」
「そんなこたぁ知ってるよ。おめえはあの店の1番の売れっ子ダンサーだったもんな。おめえの踊るフラッシュダンスなんて、本物よりも凄かったからな」
「なんですって?」
「いやね、イトーさん、こいつが本気出して踊った日にゃあ、ハリウッドの女優さんが尻込みするほどなんですよ」
「ほほう。4ミリのダボなんてもうどうでもいいんで、フラッシュダンスを踊って見せていただけませんか?」
「イトーさん、そんなに見てえんですか? おめえ、イトーさんのために踊ってやんな」
「しょうがないわねえ。
イトーさん、ここのお酒ちょっともらうよ
「え? お酒?」
「いやね、こいつ、一杯引っ掛けると踊りにキレがでるんですよ」
「もう好きなだけ飲んでください」

右が踊り子さんです




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